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サッカーブログです。

〜ポテンシャルで対決〜 2015 J2リーグ 第28節 ジュビロ磐田 VS 京都サンガ


○激しい打ち合い
自動昇格圏内の2位に付けているジュビロとの試合。
順位差を見ると難しい試合になるのでは無いかと思われましたが、上位につける相手に対して十分やりあえたのでは無いでしょうか。
常に先手をとられながらも攻める気持ちを失わず、3度も追いついたことは大変評価できる事でしょう。

ジュビロはジェイ、アダイウトン、太田といった強力な前線のいる一方で守備ではルーズな面を見せるチームです。
前の4人はボールを奪いに積極的にプレスを仕掛けてきていますが後方の選手の押し上げは少なく、
主にボランチの脇に大きなスペースを与えていました。

サンガはゲーム序盤はプレスに苦労していましたが、
時間が経つに連れてCBの2人、バキと菅沼の縦パスを起点として美味しいスペースを使えるようになってからは
小気味よくパスがつながり相手ゴールを狙う仕掛けまで辿り着く良い攻撃になっていました。
攻撃だけで言うなら今シーズンの中でも良い出来に入るでしょうね。

全体的に押し気味だった試合の中での3失点。
どれも勿体ないなと思える失点だったんですよね。
1,2失点はセットプレイからの流れでマークがずれた所から。3失点目は余計なハンド。
原因が解るだけに要修正というところでしょうか。



○逆襲の大黒
残り20分からの出場。
ゴール前で細かく動きマークを外してからのワンタッチシュート。
キーパーがボールをこぼす所を狙って押しこんだシュート。
どちらのゴールも大黒らしいゴールでした。
「磐瀬のクロスならあの弾道でくる」「フェホは高さじゃなくてスピード」「キーパー弾けと考えていた」
という様なコメントを試合後にしていました。大黒の得点への研究心、執着心を感じます。

石丸監督になってから運動量を重視するようになってスタメンから外れているのですが、
点を取ることに関しては衰えている訳ではないですからね。
得点を取ることによって存在証明をし続けていれば、スタメン復帰という可能性も十分にあり得る話の様に思えます。




○チームを立て直しつつある石丸監督
石丸監督が指揮をとってから約一ヶ月。
自分としてはもっと時間がかかると思っていたのですが思った以上に立て直しが早かったです(笑)

采配に関してはボランチに原川と田森のコンビを固定できるようになった事が大きい。
2人の役割をはっきりと分ける事によって何をすれば良いのかを明確にしています。
特に原川。攻撃に絡む回数がはっきりと増えていて、守備にも献身的に走るようになりました。この変わり様にはちょっと驚いています。

あと変わった所といえば、チーム全体が試合に100%集中できている事。
今シーズンの前半戦では、なにかクラブとしてまとまり切れていないだろうというのが
試合を見ているこちら側にも伝わってきていました。
石丸さんが指揮を取るようになってからは、時間が無い中でこれだけはやりきろうというポイントが出来ていて選手もしっかり付いてきてくれている。
つくづくセレッソ戦での勝利は大きかったなと。あの試合でチームのまとまりが再構築されたんだと思います。

ジュビロ戦では攻撃面で良い所がたくさん出ていて、
この調子で積み上げていけば、後半戦の巻き返しの可能性は十分にあるでしょうね。
昇格争いをしているチームから警戒されるような、
そして来年には再びJ1に昇格にチャレンジできるような、
そんなチームを作ってくれることを石丸監督に期待しています。






○判定について
ここからはおまけです。
試合中に選手が判定に対して抗議をしていた様なので、いくつか取り上げて見ましょう。

※参考
競技規則
競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン

アダイウトンの素晴らしい突破からジェイへスルーパスを出した場面。
ジェイがキーパーをかわした後に膝をついてしまいました。

ファールを取らないならシミュレーションでは無いのか?という所。
キーパーもディフェンダーもジェイには触れて居ないように見えます。
一方ジェイは自分でバランスを崩してこけたようにも見えて、PKをもらうためにわざと転けたと強く言えるほど程でも無い…
守備側のファールでも攻撃側のシミュレーションでもないという判定が落とし所なのかなと想います。


コーナーキックでのポジション争いでバキが手を使って引き倒されています。

見事なホールディングですね。
ペナルティエリア内でのファールなのでPKなのか気になる所ですが。
競技規則のペナルティーキックの項目を見てみると、

ボールがインプレー中に、競技者が自分のペナルティーエリア内で上記の10項目の反
則のいずれかを犯した場合、ボールの位置に関係なく、ペナルティーキックが与えられ
る。

コーナーキックではボールを蹴るとインプレーになります。
ボールを蹴る前にホールディングが起こっているため、審判が選手を注意をするにとどめています。
それにしてもコーナーキックが一瞬早ければPKになっていた訳でホールディングをした守備側の選手は迂闊だと言わざるをえませんね。


フリーキックが壁の選手にあたった時にハンドがあったのではないかと京都の選手がアピール。

33番か8番の選手の手にボールが当っているんでしょう。
ただしボールが手に当たっただけで反則にならないのがハンドリングという反則。

ガイドラインの「ボールを手または腕で扱う」の項目を見てみましょう。

⿟ボールが手や腕の方向に動いているのではなく、手や腕がボールの方向に動く。
⿟相手競技者とボールの距離(予期していないボール)。
⿟手または腕が不必要な位置にある場合は、反則である。

この観点で行くと、
33番の選手はボールが顔に当たるのを防ごうとして手を動かしているので、シュートを防ごうとする意図なしとして反則は取れ無さそう。
肘をボールの方に動かしている8番の選手に当たっているのならハンドリングの反則になるかも。というのが自分の意見になります。
これはちょっと他の方の意見も聞いてみたいですね


クロスボールがエリア内で手に当たってしまったのでハンドリングの反則。

まずはハンドリングかどうか。
守備側の選手はジャンプしてクロスを防ごうとする時に手も一緒にあげてしまっています。
こんな風に身体から腕を離して広げていると、
次にクロスボールが来ることを予測している→腕を広げる事によってボールが当たることを期待している→腕を使って防ごうとしている。
という解釈が成り立ってしまうので、ハンドリングの反則になります。

次にペナルティエリアの内側なのかどうか。これは内側でしょうね。
自分はPKの判定があった時には反則を取られた選手のリアクションを見ることにしています。
反則だったかどうかは選手が一番解っていることでしょう。


カウンターのチャンスだったのタイムアップの笛。

これはテレビで見ていた自分も伊藤と同じようなポーズになりました(笑)

ここでアディショナルタイムの表示について。
前半終了または後半終了の前に第4審判が交代ボードを使ってアディショナルタイムを示します。
この時に表示されるのは分単位。秒は切り捨てられます。

後半のアディショナルタイムは4分表示でした。
これはアディショナルタイムが4分00秒から4分59秒の間であることを示しています。
状況からの想像ですが、この試合のアディショナルタイムは4分01秒、4分02秒ぐらいだったんじゃ無いでしょうか。
それならば終了時間が過ぎた後、ジュビロの攻撃が終わったタイミングでタイムアップの笛を鳴らすのも特別おかしな事ではないですね。


その他にファウルやカードを出した場面についてもひと通り見ました
結果として京都側が不利になる判定が多かったのですが、判定自体にはそこまで大きな問題はないように思います。
石丸監督に変わってから選手が闘志を押し出すようになったのはそれは良いことです。
その副作用として審判への異議も増えてきちゃってる様な気がします。
イエローカードの原因にもなりますし、あまり判定にナーバスになり過ぎないように
プレーの激しさとは分けて欲しいですね。